2006全日本鍼灸学会学術大会 金沢大会 (reported by SEIKADO) 写真もアルヨ↓

去る2006年6月16日(金)~18日(日)、金沢市観光会館・金沢21世紀美術館において、社団法人全日本鍼灸学会の学術大会が開催された。
鍼灸の真価に確証を求めて」という大いなるテーマをかかげ、普段、我々臨床家が「鍼灸は、経穴(ツボ)は、色々な病気や症状に効果がある」ということを常識的に知っているものの、それらがどれだけ科学的に証明されているのか、客観的に説明する方法は?等、様々な文献や実験を通じ、ここまで確証が得られているといった講演やシンポジウム、ワークショップ等が展開された3日間であった。

あるシンポジウムにおいて、東北大学で脈波の科学的評価の研究が進められているといった報告や、麻酔科医が主に心臓疾患や肝機能腎機能から脈が変化している、と発言されているのを聴いて、色んな方が鍼灸の客観化に心血を注いでいるということを知り、鍼灸の効能が、もっと一般に理解しやすくなるように頑張って欲しいと感じた。

しかしながら、「人は1つの規定にあてはめることが難しいので、実験を均一に行いにくい」と、言われていたことも印象的で、だから、個別に、ひとりひとりに手を当て、一つの身体全体から診たてをし、治療方法を練り、適切な経穴を処方していく我々の役割は大きいと考えられる。なんと言っても400個近い経穴(ツボ)の組み合わせの豊富さからも「症状に対する手はたくさんある」のである。科学的な説明や方法は、むしろ東洋医学の天・地・人、自然の中の人という広範な考え方からすると、科学というのは極めて狭い範囲であり、説明するのに充分であるとは言えないのではないだろうか。東洋医学を客観化するために、まさに「科学が、西洋医学が東洋医学に追いつこうと努力中」なのである。自然に即して生命が発生し、人が誕生し、自然と共に生きていく構造が人に備わるよう長年かかって進化してきたことからも、科学的に東洋医学の全てを説明しきるには、まだまだ時間がかかるであろう。
「黒い猫でも、白い猫でも、ネズミを獲る猫が役に立つ猫である。」
理屈はそんなに重要だろうか?人にやさしく、効果のある治療法が役立ち、生き残っていくのではないだろうか。
数千年もの間、受け継がれてきた鍼灸は、これからも人々が健康で充実した人生を送るために、より一層役立っていくという「確信」と、数千年の歴史を背負って、先人の教えを正しく伝承していかねばならない、という鍼灸師としての責任を、再確認させられた全日本鍼灸学会、金沢大会であった。

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